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昨年、メジャーとの契約を終了し今後は自主レーベルから作品を配給していく、と発表して以降も、各地のフェスでの人気ぶりは以前と変わりなし。この冬の「COUNTDOWN JAPAN 11/12」でもEARTH STAGEの万単位のオーディエンスを熱狂させ、破格のフェス帝王ぶりを証明してみせる。

ヒット曲の並でない多さ、というのも彼らがフェスで盛り上がる要因だが、それ以外の楽曲も実にフェスっぽい躁状態なマインドで作られている点も忘れてはいけない。この日も“*~アスタリスク~”という大ヒット曲で始まっただけで場内の喧騒は一気にピークだが、続く“風林火山”は有名曲ではないものの、一見さんもたちどころに歌って踊れること必至の強力ファンク・ナンバー。むしろ、シングル曲よりこういうライブ向けのアルバム曲の方がリズムが本格的に黒っぽかったりするわけで、それは5曲目に登場した“ファンクテューン”、9曲目の“HIBISCUS”にも顕著。彼らがこんなに灼熱グルーヴを演出できるバンドであることを、今日初めて知った人も多いんじゃないだろうか。要は、表に裏にどこまでもフェス仕様に出来上がっているバンド、それがORANGE RANGEというわけだが、さらに今日は意表をついてファースト・アルバムから“ヤング8”なんていうラウド・ロック曲も披露。別の意味であまり知られていないファクターも垣間見せるなど、今年のライブ納めという意味からか、かなりの攻めモード・メニューだった。

中盤に登場した特大ヒット“花”にはさすがに大きな歓声が起こり、そして安堵の空気が場内を満たす光景が。もしかしたら2011年の今こそ、この曲の持つ「花になろう」という静かな意志が、殊更に重要な意味を持つタイミングかも?という気さえした瞬間だった。そして終盤のブロック、RYOの「冬だけど、これやらせてもらいます。夏が好きなやつ、手を挙げろ!」というMCと共に始まったのは“イケナイ太陽”。最早夏・冬関係ない、存在自体がお祭りバンドな彼等の術中に、心地よくハメられ続けた45分だったのでありました。(小池清彦)