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開演予定時間10分以上前から、当人達によるサウンド・チェックがスタート。リハーサルとは到底思えない熱の入ったインプロビゼーションが鳴り響き始める。驚いたオーディエンスの歩調も一層速まる中、「そろそろ始めるぜ!」の声に時間前からすでに場内大歓声。その後、一度はステージ袖に引っ込んだものの、すぐさま場内は暗転。強力なトライバル・ビートが鳴り響く中、「いくぜ、幕張。思い切り自由に拳を突き上げろ! さぁいくぜ!」という社長のアジテーションとともに、トランぺットとサックスのツイン・トップがけたたましいファンファーレを響かせる“SUFFOCATION”でライブはスタート。続くピアノ・ソロも流暢にしてエモーショナル。社長もステージ上を右に左に悠然と練り歩き、場内の隅々まで興奮の渦に巻きこんでいく。
「今年のライブは、このCOUNTDOWN JAPANが最後だ。思い切りやらせてもらうぜ!」のシャウトに続き始まった2曲目は、不穏なピアノの低音リフが嵐の予感を呼び、社長が拡声器で熱いメッセージを告発しまくる“閃く刃”。ふと気がつくと、みどりん(Dr)と丈青(Pf)ふたりによるパーカッション・ソロが始まり、そこからひとりひとりの太鼓が用意され、しまいには全員による一足早い正月仕様の和太鼓合戦が完成するなど大胆なアイデアで場内の度肝を抜いて見せる。そしてジャポネスクなビートに乗って、サックス、トランペットの2管がオリエンタルなメロディを高らかに奏でる様は、世界中のフェスに参加し、日本人らしいビート感そしてメロディを誰よりも強く自覚している、彼等らしい年越しの一節でもあったような気がする。
中盤の社長のMC。「今年最後のライブで、ここに来ることが出来て、本当にうれしい。なぜなら、ここには愛が満ちているから。いい笑顔があるから。いい目をしているから。いいか、みんなには声がある、みんなには手拍子がある。分かってるよな! もっと来い! お前らが主役だぞ!」
そこから先の、歓声そして拍手の爆発っぷりは、そりゃとんでもない光景でした。(小池清彦)