初日WING TENTのトリを務めるのは、今回がROCK IN JAPAN2回目となるTOTALFATだ。5月にリリースしたアルバム『FOR WHOM THE ROCK ROLLS』はバンド史上最高傑作との呼び声も高いが、ライヴ・パフォーマンスもバンドの脂の乗った現状を象徴するようなエネルギッシュなものだった。THE OFFSPRINGがバンド結成のきっかけとなったというだけあってUSメロディック・パンク直系の抜けのよさが身上のバンドだが、Kuboty(G)の携えているギターがフライングVであることからも分かるとおり、ハード・ロックやメタルのようなトリッキーなリフが入ってくるところが個性。ルックスもキャラもばらばらな4人ががちっとかみ合ったとき、たとえアメリカのバンドでも真似できない唯一無二のマジックが生まれる。この日それが最初に爆発したのは3曲目“Life Like Movies”から続く“I Wanna Make Feel Alright”への流れ。ツイン・ヴォーカルの重なりとシンセの音色が、一気にテント内の温度を上昇させる。さらに“Show Me Your Courage”ではKubotyのギター・ソロとBunta(Ds)のフィルインてんこ盛りのプレイがさらにオーディエンスをたきつける。「全員が主役だからね! みんなの声を聞かせてくれ!」というShun(Vo/B)の叫びとともに鳴らされた “Good Fight & Promise You”では最後には合唱も巻き起こった。アンコールでは“Hello & Goodnight”と“Da Na Na”を連打。「そんなもんじゃねえだろう!」。Jose(Vo/G)の声に呼応して盛り上がりは絶頂に。涼しい気温を吹き飛ばす、どこまでも熱くて直情的なライヴだった。(小川智宏)
TOTALFAT のROCK IN JAPAN FES.クイックレポートアーカイブ