続いての登場は、最新アルバム『JET CO.』を携えての全国ツアーを大盛況に終え、怒涛の夏ライヴ期間へと突入したばかりのUNISON SQUARE GARDEN。リハーサルで鳴らした、肩慣らし的セッションにすら拍手が起こるほどの盛り上がりを見せるスタート前のフロア。鈴木（Dr）、田淵（Ba）、斎藤（Vo/G）と一人ずつステージに現れるたびに歓声が沸き起こる。斎藤の「こんにちは、UNISON SQUARE GARDENです！　よろしくお願いします！」という第一声で堰を切るように始まったのは“cody beats”。一瞬の爆発力が生み出す高揚感と、青空にどこまでも真っ直ぐに突き刺さっていくようなグッド・メロディの爽快感が本当に最高だ。続く“フルカラープログラム”はバンドの潔さと清々しさを象徴するようなナンバーで、一気に加速度を増していく。「今日はみなさんと最高に幸せな時間をすごしたいと思っています！」と斎藤が挨拶すると“チャイルドフッド・スーパーノヴァ”へ突入。裏打ちのカッティング・ギターが切れるAメロから４つ打ちのダンス・ロックへと導かれるサビに向けて、フロアの熱量はどんどん増していくばかり。斎藤が号令のように笛を鳴らせば、フロアはそれにあわせて見事にピタリと合った一体感抜群の手拍子で迎え撃ち。「レディース＆ジェントルマン！ ライドオンタイム！」と言って始まった、“ライドオンタイム”では、ジャンプしたり、くるくる回ったり、腕を高く突き上げたりしながらオーディエンスは思い思いに楽しんでいて、その周りにはモクモクと白い砂埃が舞い上がるほどの熱狂ぶりだ。切り裂くような斎藤のギター・サウンドとセンチメンタルで瑞々しいメロディが映える“マスターボリューム”をプレイし、あっという間に後半戦へ。ライヴにライヴを重ねているUNISON SQUARE GARDENだが11月にはまた全国ツアーを回ることを告知し、「楽しい時間、幸せな時間を音楽の中に見出してやっています」と今の心境を告げる。まさにひとつひとつのライヴでしか得ることのできない熱い高揚感を作品に注ぎ込み、それを持ってライヴをするという至極健全なライヴ・バンドとしての歓びを今、彼らはかみ締めている。「僕たちもラス、ラスト・スパートをかけます！」なんて肝心なところで噛んでしまう斎藤であったが、渾然一体となった手拍子が鳴った“アイラブニージュー”、鈴木の４つ打ちバスドラに期待感に煽られ、圧倒的にキラキラしたダンス・チューン“MR.アンディ”で力いっぱい駆け抜け、圧倒のステージは幕を閉じた。（阿部英理子）