メニュー



「こんなに暑いとね、自己紹介なんてどうでもいいんですよ!(笑)。今日、誰かビニールプール持ってきてる? じゃあ、あとで入ろう!」というMCの主はもちろんthe band apart・原昌和だ。プログレチックな変拍子のキメから1曲目“Tears of joy”へ! 荒井&川崎の岩清水のように清冽なギター・カッティング! 前に後ろにとステップを踏みながら、パンクもジャズもフュージョンも超越したタイトなビート&ベース・フレーズをいとも愉しげに響かせていく原。それらの複雑なアンサンブルを1つのポップ・フォーマットに編み上げてじっくり加速度をつけていく木暮のドラム! さらに、焦げるような暑さと絶妙に融け合っていく“free fall”の荒井&原の極彩色ハーモニー! そのまま切れ目なく“I love you Wasted Junk & Greens”で一気にホット&アグレッシヴに加速! クールなサウンドが真夏の熱気と化学反応を起こして、怒濤の歓喜を生み出してくる。最高だ。「(自分たちは)この時間帯、合わねえなあ!」と原は苦笑しているが、どこまでもグルーヴィーな4人のプレイがヒート・アップすればするほど、クールで透徹したロックとポップの風景が色鮮やかに僕らの目の前に広がっていく……という真夏の昼のマジックは、まさにバンアパならではのものだ。
「まあ、あと何曲か、びっくりしていきたいと思いますんで」という原の言葉の通り、ハード・エッジなギター・サウンドとスケール大きな美麗メロディでLAKE STAGEのオーディエンスを圧倒していく新曲“photograph”! そして“beautiful vanity”の鋭利で軽快なアンサンブル! 「告知は……ありません!」と荒井は笑っていたが、バンアパという音楽の「これまで」と「これから」の魅力をぎっちり凝縮したような、夢のような40分だったことは間違いない。ありがとうバンアパ!(高橋智樹)