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ROCK IN JAPAN FES.2011もいよいよ最終日! ここLAKE STAGE・3日目の開幕を告げるのはthe band apart! 1曲目から鉄板ライヴ・アンセム“Eric.W”を繰り出す4人に、朝イチからLAKE STAGEを埋め尽くしたオーディエンスもイントロからありったけのクラップで応える。ジャジーだったりファンキーだったりパンキッシュだったりする多彩な音のエッセンスを、鍛え上がったアスリートの肉体のようなバンド・アンサンブルでもって、水しぶきが飛ぶくらい清冽なロック・サウンドに昇華してみせる……そんな彼らのマジカルな音に、朝イチからでっかいダンス天国が出現してしまう。
“Game, Mom, Erase, Fuck, Sleep”では川崎の超絶速弾きフレーズをはじめ緻密に構成された4人の変幻自在なプレイがうねり絡み合いながらプレシャスなグルーヴを生んでいくし、LAKE STAGEを吹き抜ける夏風を追い越す勢いで疾走する“I love you Wasterd Junks & Greens”は途方もなくスリリングな快楽に満ちていた。何より、灼熱の太陽の下で、音楽を鳴らす喜びそのもののように身体を躍動させながら歌とサウンドを紡ぎ出していく荒井/原/川崎/木暮の4人の姿が、生命力のカタマリのような圧倒的なヴァイブを放っているのが爽快だし、嬉しい。
「おはようございます、the band apartといいます! 朝早くからありがとう! チャリティのCDを作って持ってきたんで。物販で売ってます!」と荒井。「原さーん!」というオーディエンスの呼びかけに「……病院の待合室みたいに『原さん』とか言わないように!(笑)」と無愛想っぽく応えつつも、どこか嬉しそうな原。「じゃあ、そのチャリティの曲やりますんで」(原)と“The Sun”の爽快なビートでLAKEをゆったり揺らした後、“light in the city”でロックの極点を目指すようなスピード感とともにハード・エッジなサウンドを放射する。“higher”の鮮烈なアンサンブルと荒井&原のやわらかなハーモニーがひたちなかの青空と目映いマーブル模様を描き出し、最後は“photograph”でひときわエモーショナルなロックの風景へと満場のオーディエンスを導いてみせる。ギターを振り回しながら激奏する川崎。ステージ狭しと歩き回りながら歌うようなベース・フレーズを叩き出していく原。複雑なアンサンブルにビシッと軸を通していく木暮のドラム。そして、そんなサウンドに七色の輝きを与えていく荒井のヴォーカリゼーション……真っ白にスパークするような音響を残して、4人は充実した表情でステージを後にした。最終日のLAKE STAGE、最高の幕開けだ。(高橋智樹)