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ステージに威風堂々と積み上げられた、4連8発のマーシャル・アンプ。この日のどの出演者より豪奢なツーバス・ドラム・セット――これだけで、もうおわかりでしょう。そう、次なるアクトは“筋少”こと筋肉少女帯! うっすらと空がオレンジに染まるロマンチックな時間帯に少々ミスマッチなアクトだが(失礼!)、数々のアウェイ戦を制してきた彼らには、んなの関係ねー! 「早くおいで! 早くおいで!」(大槻ケンヂ)と遠巻きのオーディエンスを強引に召集し、橘高のフライングVがファイヤーしてなだれ込んだ“釈迦”で、早くも筋少という名の異世界が出現。尋常ならざるウォール・オブ・サウンドと巧みなオーケンの扇動でオーディエンスは否応なしにヘッド・バンギング! 「OK、筋肉少女帯です! ウッ! ハッ!」とコール&レスポンスを煽って突入した“ワインライダー・フォーエバー”では、「アラフィフ・へヴィメタル、踊るか!? あんまりステップは踏めねーぜ!」(オーケン)と、フロント4人がステージ前に歩み出て鮮やかなマイク・リレーを披露! たしかに若干ステップはおぼつかなかったけれど(笑)、ライヴのヴォルテージを巧みに持ち上げる手腕は流石!
「兄がテレビのカメラマンをやってまして、このROCK IN JAPANにも撮りに来てて。でも、なぜかCharaさんを撮ってるらしい」とのプチ情報も盛り込んで、「人生いろいろだぜ、ROCK IN JAPAN! こちとらデビュー23年目だぜ! のれるのかー! バカみたいになれるのかい!?」と吠えるオーケン。そして「望むところ!」とばかりに湧き上がるオーディエンス。その両者による盛大にして異様なコール&レスポンス=「イワンの?」「バカ~!」が度々繰り返され、怒涛のツーバス連打と火を噴くようなバンド・アンサンブルが再びLAKE STAGEを沸点へ! 「Charaさんを撮影している俺の兄ちゃんにも届くくらい!」と、今度は「ヘーイヘイヘイヘーイヘーイ!」と古式ゆかしいコール&レスポンスが! さらにオーケンがアジってLAKE STAGE中の腕が左右にウェーヴ(壮観!)と、ライヴはレッド・ゾーンのその先へと一路疾走していく。
それまでのハードなメタル・サウンドから一転、終盤のバラード“山と渓谷”では、ステージからの「ヤッホー!」にフロアから温かなこだまが投げ返され(これもまた異様な光景だったなあ)、「最後の最後に、腕をクロスしてジャンプしていただいてもよいでしょうか? いくぜー!」と、ラストの“踊るダメ人間”では重戦車のごときヘヴィ・サウンドで再び絶頂へと駆け上がり、すっかり筋少エキスに染まったオーディエンスも腕をクロスしてジャンプ&ジャンプ! 完全にLAKE STAGEをホームと化したその狂騒は、若いオーディエンスはもちろん、きっと、Charaさんを撮影中のお兄さんにも届いた、はず(?)。とにかく天晴れでした!(奥村明裕)