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先ほどまでのLAKE STAGEの空気を一変させる、スラッシーなメタルのオープニングSEが鳴り響き、筋肉少女帯、登場! 大槻ケンヂが煽りたて、まずは“踊るダメ人間”からステージをスタートだ。満場のオーディエンスも腕をバッテンに掲げて飛び跳ねる。豊かな金髪をなびかせる橘高(G)の足も跳ね上がるぜ。オーケン、野太い声で「アラフォー・ヘヴィ・メタル、筋肉少女帯でございまーす! 来年にはアラフィフでございますんで、古式ゆかしいコール&レスポンスしか出来ません! イェー!! それでは、夏フェスということで、夏フェスの曲を作ってきました! “あのコは夏フェス焼け”ー!」。内田のベースが高速でドライブするバンドの演奏に、昭和歌謡風の歌メロが這う、なんとも筋少らしい1曲。

「古式ゆかしいコール&レスポンスその2いくぞー! 今どきこんなの聞けねえぞー! ヘーイヘイヘイヘーイヘーイ!」「ヘーイヘイヘイヘーイヘーイ!!」とフィンガー5ばりのコール&レスポンスで大盛り上がりだ。そしてここで満を持して投下されるのは筋少メタルの真骨頂“イワンのばか”! 直撃世代ならではのメタル魂炸裂なこのテクはどうだ。でもこの歌詞だ! 驚けばいいのか笑えばいいのか。

「ありがとうー! ありがとうROCK IN JAPAN、感謝するぜー! 感謝ついでに、ちょっと休んでいいですか……?」オーケン、バテバテである。そりゃそうだ。「2年前に初めてROCK IN JAPANに出たとき、出てきたら人がぶわあーっていて、筋肉少女帯24年やってるけど、あんなに嬉しいことはなかった! ……いや、……いろいろあったな。武道館出たときとか結構嬉しかったな。で、あとでブログとか見たら、みんな《MCがおもしろかった》しか言ってなくてさ。だから今年は、MCとかいい。音で勝負! 音で勝負なんだけど、次カラオケなんだよな……」と、メンバーが横一列に並んで“じーさんはいい塩梅”を歌う。いや、これもメンバーのハーモニーが堪能できていいんだけど。

そしてこれが予め計画的に休憩タイムとして盛り込まれていたのか、終盤戦は“人間嫌いの歌”から“日本印度化計画”とまたもや沸騰ナンバーが畳み掛けられる。“印度化”の曲中コール&レスポンスをバッチリ決めていたオーディエンスは見事だった。そしてラストは“釈迦”で一気に走り抜ける筋少である。それにしても、濃いステージであった。オーケンは「ありがとう、いつもアウェイだけど、今日はちょっとホームな気がした」と言っていた。それは紛れもなく、筋少とオーディエンスとで、作り上げた空間だった。(小池宏和)