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開演とともにFUMIYAひとりが現れ、“JACK GOES ON”のけたたましいサイレンが鳴り響いたところでRYO-Z、PES、ILMARI、SUが勢いよくオン・ステージ! そう、次なるGRASS STAGEの主は、夏フェスきってのエンタテインメント集団・RIP SLYMEだ!! 揃いのグレーのツナギを着用した5人。MCの4人は肩にかけたウォーター・ガンを勢いよく発射して、観客に容赦なく水を浴びせかけていく。そのまま“Good Times”へ流れると、奥の奥までビッシリ埋まったGRASSから突きあがる拳! さらにねっとりと大人ムード漂う“SCAR”で、夕暮れの涼しい空気を一気にスパークさせていく。ここまでノンストップの3連打。この豪快なスタートダッシュで、GRASS STAGEは完全にリップに掌握されてしまった。中盤では“熱帯夜”“太陽とビキニ”と鉄壁のサマー・チューンを連打して、夜のひたちなかを常夏のビーチに導く。さらにフルートの音色と鋭いビートが甘く華やかなムードを演出する“甘い生活(Short ver.)”を経て、投下されたのは必殺ナンバー“楽園ベイベー”! 言うまでもなく、GRASS中が狂喜乱舞の大熱狂!! もう、一体どれだけ絶頂を更新しつづければ気が済むのか、この5人は。FUMIYAが繰り出すエッジーなビートはもとより、4MCによる流れるようなフロウ、コミカルなパフォーマンスのひとつひとつが鮮やかで、タイトに引き締まっていて、オーディエンスをアゲるためのツールとしてムダなく機能していることがわかる。まるで「第一級のエンタテインメントとはこういうものですよ」というお手本を見せつけられているような気分だ。終盤は、腹に響くビートがトライバルなムードをかもし出す“Watch out!”、布袋寅泰とのコラボレーション・ナンバー“バンビーナ(BANBINO MIX)”を経て、「最後に皆さんと繋がってもいいですか?」というRYO-Zのアジテートから“JOINT”でフィニッシュ! GRASS中で巻き起こるタオルの大旋回! すべてを完璧にこなして完全無欠のエンタテインメントを築いた5人が映画『パルプ・フィクション』のテーマに乗って颯爽とステージを去った後には、楽しい夢から醒めたように呆然と立ち尽くすオーディエンスだけが残されたのであった。(齋藤美穂)