http://www.youtube.com/embed/Xh_NtSz2gto美しい双子の少年による、残酷な世界への静かな逆襲――。映画化不可能と言われた30年前のベストセラー小説『悪童日記』が、ついに本日公開された。第二次世界大戦末期のハンガリー、疎開先の田舎で双子が体験する過酷な日々と、サバイバルの様子を淡々と綴った映像は、鮮烈なまでに美しく衝撃的。善と悪とが微妙に揺れ動く天秤から目をそらせない。 そして本作の成功のカギはなんといってもこの双子の美少年。彼らをキャスティングするために、ヤーノス・サーシュ監督はハンガリー中の学校に電話して双子を探したという。たとえば『ミツバチのささやき』がアナ・トレントなくしては成り立たなかったように、『ヴェニスに死す』がビョルン・アンドレセンなくしては成り立たなかったように、このふたりなくして本作は成り立たなかったのではないか。 現在発売中のCUT最新号では、「ハリウッドが作れなかった名作映画ベスト100!!」と題して英語圏以外の名画を特集していますが、まさにこういう作品こそ観てほしい。（井上）