KICK THE CAN CREW、16年ぶりの武道館ワンマンを観て

新旧ヒットソング満載のセットリストで
本当に楽しいエンターテインメント空間だった。

印象的だったのは、デビューシングルと現在との楽曲の関係性を語るパート。
KICKは何を経てからここまで来たのか、
KICKの変わらない本質とは何なのかを丁寧に説明していたのだが、
そのなかでKREVAが、KICKの根本はお客さんが一緒に歌ってくれることと語った。

まさに、そうだと思った。
KICKのライブは3人の歌の掛け合いと観客の声があるからこそ成立する。
そして、その声を上げるのは老若男女、本当に幅広い層だ。
昨年の再始動からの新しいファンもきっといるはず。
インディーズでのデビューから21年。
お客さんも、それぞれがそれぞれの21年を過ごしてきているのに、
この武道館という場所に一斉に集まって、一斉に同じ声をあげられる。
それは本当にすごいことだと思う。
そして、その本質を理解し、必然的にこの空間を作り出せるのがKICKの強さであると思う。

そういえば「現地集合」というライブタイトルにだって、
観客が主体であること、みんなで集まるからできるエンターテインメントなんだという姿勢が見るからに表れている。
みんなの存在が前提にあるのだ。
その前提で作り上げられているから、本当にみんなが楽しいのだ。

ライブ終演後のビジョンに、「SEE YOU NEXT STAGE!」と書いてあったし、
きっと、もっともっと楽しませてくれるのだと思う。
次の動きを期待しながら待っている。(荒木)
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