Chevonのライブの強度がどんどん上がっている。
圧倒的な歌の表現力、観客を力強く導くような演奏力、問答無用でフロアを盛り上げる中毒性のあるメロディ。ライブで勝つために必要な手札をChevonはたくさん持っている。でも、ただ「すごいものを観たなあ」という感想だけでは終わらせない魔力が、Chevonのライブには宿っている。
ライブの中盤で谷絹茉優(Vo)はこう語っていた。
「暗いところにいる人は暗いところからしか救えない。だから私は救われてはいけないと思っている」
音楽で人の心を救いたいというのは多くのアーティストが思っていることだろうし、そういったマインドでいるアーティストも少なくないだろうけど、超満員のLIQUIDROOMのステージ上で堂々と、しかも悲壮感なく言ってのけてしまうところに、Chevonの音楽を求める人が急増している理由があると思った。
このMCを経て、《今ハどんな事ガ苦しくて/どんな歌ヲ歌えバ楽しくなれるのサ》と歌う“大行侵”からの後半戦は、曲の届き方のレベルがさらに数段上がった感じがした。
Chevonにわかりやすく明るい曲というのはない。それでも、内からエネルギーを湧き上がらせてくれるのは、なぜ音楽を鳴らすのか、誰に届けたいのかがすごく明確に表現されているからだ。
終演BGMで流れた“冥冥”をフルコーラスで大合唱していた、生のエネルギーに満ちたフロアの光景は美しかった。
Chevonは8月4日(日)ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024の17:05〜HILLSIDE STAGEにも登場。当日参加予定の方はぜひ見届けてほしい。(有本早季)
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Chevonのライブが最強な理由ここにあり! 超満員のLIQUIDROOMで強く印象に残ったこと
2024.07.23 18:30