GRAPEVINE+NICO Touches the Walls


最速レポートにも記事があがっているが14日(土)、SHIBUYA-AXでのGRAPEVINE+NICO Touches the Wallsのライヴ、本当に面白かった。18時開演、でふと気がつくと22時。濃密で特別な4時間……。でもそれ以上に、2バンドともそれぞれ新曲が演奏され、新しい場所へ向かう瞬間が見れたことがとても新鮮だった。
 NICO Touches the Wallsは、5月にリリースされる新曲“ビッグフット”など2曲を東京では初めて演奏。大きなスケール感をもった楽曲は今までよりもさらに大人びたロックンロールの印象。そして本邦初公開の新曲――この夏公開される映画『蟹工船』の主題歌“風人”が素晴らしかった。最初にその話題を聞いた時には、NICOと『蟹工船』!? ……と違和感を感じたが、缶詰を作る工場漁船の閉塞感と、それを打ち破ろうするヘヴィに疾走するサウンド、そこから舞い上がろうとする意志をもったメロディがあまりにもNICOっぽくてぴったりだった。でもってこの後、“武家諸法度”〜“Broken Youth”へと続くと、それらの楽曲の飛翔力がより増して聴こえるのにも驚いた。

 一方、現在レコーディング中というバインも、新曲を2曲披露。疾走感のあるノリのいいロックンロールナンバーで、アルバムへの期待が高まる。「来週からアメリカに行ってきます」と田中は行っていたが、一皮剥けた作品になるのでは? スタジオでセッション的な中から曲が生まれるのが面白い、とインタヴューで言っていたが、そんなライヴ感が音源になってゆくのかもしれない。……以上、あくまでも予想ですが、プロデューサー・長田進との凄まじいセッションを見ているとそんな気がしてならない。もう、“Sing”とか“KINGDOM COME”のトリプル・ギターバトルはとか、かなりやばかった。あと、ちょっとディラン風なリフの応酬がカッコいいDr.Strange Loveの“アメリカのアリゾナ”も素敵でした。(井上)
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