ねぐせ。にとっての武道館

ねぐせ。にとっての武道館
ねぐせ。の魅力とは、その圧倒的な無防備さにあるのだと思う。
りょたちの書くとても独創的な言葉使いの歌詞も、その歌声も、4人のキャラクターも、素をそのままさらけ出すタイミングでこそ最大に輝きを放つ。

「ファンタジークライマックス」と題した彼らにとって初の武道館は、春から続いていた全国ツアーのファイナルであり、スペシャルな一夜限りのライブでもあった。
よく、初の武道館でも通常のライブハウスと同じだったから良かった、という言われ方をする場合がある。武道館だからと特に気負わず臨んでいて素晴らしかった、というパターンだ。
でもこの日のねぐせ。のライブはきちんと特別だった。それぞれが極度に緊張しているのも判り、この日に向けたプレッシャーが相当に高かったこともうかがえた。それを隠そうとせず、そのまま全開で客席にぶつけることでステージから放たれるエネルギーの総量は、キャパシティーに正比例して通常より圧倒的に高かった。
アンコールの最後、その場の衝動だけで即興で始まったなんとこの日3回目となる"あの娘の胸に飛び込んで"の武道館全体でターコイスブルーのねぐせ。タオルが無数に揺れるグルーヴは破格だったと思う。

武道館という巨大な存在に飛びこんでいったねぐせ。はやっぱり無防備なねぐせ。だった。
(海津亮)
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