発売されて1ヶ月が過ぎましたが、有賀幹夫撮影の毛皮のマリーズの写真集『夜明け』、もうチェックしましたか?
この夏、何度もページをめくった、そして、これからも長く愛することになるだろう、すばらしい作品。
まず第一に、有賀さんの写真の最大の魅力である、ロックバンドの色気とレジェンド感を、毛皮のマリーズで観れたことが嬉しいし、ここに切り取られた現実と、メッセージがぐっと心に刺さる。
3月に始まった毛皮のツアーを綴ったドキュメント写真集、
だったはずが、震災を経て2011年の日本の若者たちのドキュメントになってしまった今作。
ステージの上のバンドのパフォーマンスも、熱狂するオーディエンスの姿も、まるで祈りのように純粋で美しい。この風景を志磨は、「復興」と呼ぶ。世界中のどこにもない写真集であり、同時にとても普遍的なロックバンドの物語だ。
有賀さんが毛皮のツアーを撮影すると最初に聴いた時、当然のようにわくわくしたが、まさかこんな意味を持つ作品になるとは思わなかった。
最新号JAPANのTIMESコーナーでもレビューしているが、まだの人はぜひ手に取ってみてほしい。厳しい出版不況の中、こんな大判でページ数の多い贅沢なロック写真集はなかなかない。
そして、毛皮のマリーズのニューアルバムは、いよいよ今週水曜日、7日発売。
(井上)