Czecho No Republicに首ったけ

Czecho No Republicに首ったけ

先月号のJAPANで井上がコラムに書いていたCzecho No Republic(しつこいですがカタカナでも、チェコノーリパブリック)。
今日は彼らが10月にリリースしたファーストアルバム『maminka』のツアーファイナル@eggman。ゲストバンドにAWAYOKUBA、The KOXXの2組を迎えて。

AWAYOKUBAは大阪発の歌ものファンクバンドで、今年はフジロックのROOKIE A GO-GOにも出演した。
ブラックミュージックを色濃く反映しながらも、普段着の日本詞で庶民的な匂いを混ぜ合わせた人懐っこい楽曲ばかり。それゆえに、ハイレベルな演奏ながらも親しみの湧くライヴが持ち味。今日もフロアを温かい空気で満たした。

続くThe KOXXは韓国の5人組。今年はNANO-MUGEN FES.やサマソニにも出演し日本のロックファンにもその名を広めつつある。
初めて観たが、ヘヴィなバンドアンサンブルにバッキバキのシンセががっちり噛み合って放たれる音は強い意志が感じられ、1曲の中で様々に展開していく楽曲構成は彼らのロックに対する貪欲さを物語っていた。日本にありそうでない音に、圧倒された。

そして本日の主役、チェコノーリパブリック。
まず、音源やヴィジュアルのふわっとした感じの延長線に彼らのライヴがあるだろうと思っているなら、それは間違い。
1曲目から体の底にずしっとくるリズム隊の太いビートが、聴き手の頭の中を容易くロックモードに変えてしまう。
ツアーを回ってきたからか、以前よりアンサンブルが骨太になっていて、ブラッシュアップされた演奏はどこか余裕すら感じる。セットリストはチェコの今を網羅する内容で、聴き応え十分。軽やかに横に揺らしたり、たてノリでグイグイと引っ張っていったり、シンセを多様したカラフルな音を自由自在に操つりながらフロアをハッピーにさせていくのは、このバンドの特異な力かもしれない。
ライヴ中盤、「速いの作りました」と武井優心(Vo・B)のゆる〜いMCで紹介して披露した新曲は、意外にもmaminkaどの曲よりも男性的なチェコ流ロックンロール。
思いがけない曲調にビックリしだが、それゆえにバンドのフィジカルの強さが存分に発揮され、ライヴ栄えするいい曲。

チェコノーリパブリックというバンドは、ライヴを長く観れば観るほどバンドイメージが崩壊していく。それは決して悪い意味ではなく、ロックバンドとしての実力を目の当たりにした時の驚きでということ。
かわいいおもちゃ箱をひっくり返してみたら、色とりどりのおもちゃと一緒に、静かに熱く煮えたぎるロックマインドが噴き出してきたような意外性が心地よくて、やみつきになる。

2月には「チェコ」繋がりでPrague(チェコ共和国の首都はプラハ)との2マンも決定。
チェコ未体験の人はぜひ!(中村)
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