南ロンドンのパブ/英国人とフランス人はなぜ仲が悪いのか?

南ロンドンのパブ/英国人とフランス人はなぜ仲が悪いのか?

やっと〆切ラッシュもろもろが落ち着いた昨日(英国時間2/25)は、配本で南ロンドンのサウス・バンク地区へ。

で、息抜き&ランチを兼ねて、ふと訪れたのがこの地下鉄Waterloo駅の真向かいにあるパブ=Duke of Wellington。

ご存知1815年6月18日に、ナポレオン率いるフランス軍をベルギーのワーテルロー(Waterlooのフランス語読み)で、
木っ端微塵に破ったウェリントン公&英国軍を称えるための、
いわゆる「テーマ・パブ」なのだが、
内装があまりにスゴイ!ので写真を撮らせてもらった。
見てください、この壁画!!!
日本で言えば「関が原の戦い」か「真珠湾急襲」を内部一面にド派手にあしらったパブの感覚?(うわあ悪趣味〜笑)。

The Battle of Waterloo/ワーテルローの戦い、といえば、
94年にあのユーロ・スター国際鉄道が貫通して営業を開始した際、フランスからの便の終着駅が事もあろうにこのWaterloo駅だったため、
「フランス人にとっては非常に屈辱的なので、駅名を変えるか、違う駅に移動してほしい」と何度もフランス政府から要請があったらしい。

確かにこれはフランス人からしたらムリもないですよね?
イギリスにホリディで来てみたら、
いきなりこんな「昔の屈辱」をそのまま駅名にした場所に着くなんて。

改めて考えてみると、英仏間軋轢の歴史はかなり古い。
11世紀には、フランス/ノルマンディ地方の君主だったウィリアム1世(William the Conqueror/征服王ウィリアム)が、
フランス軍を率いて英国へ上陸し、当時の英国サクソン王ハロルドの軍を破って英国制覇を果たしたり、
15世紀には、反対に当時の英国王だったヘンリー5世がフランスに遠征し、
アジャンクールの戦いでフランス軍をまた木っ端微塵にやっつけたり。
もう何百年も前から続いていた、この英仏間の「いがみあい」。
こういうのって根が深いんですよね、、、。

筆者も英国人やフランス人の友達がいるけど、同じ場に集うたびに、
なんだかんだですぐ口論を始めたり、終いにはお互いを四文字言葉で罵り合ったりし始める(特に男同士のスポーツ談とか)。
いまだに英国人とフランス人は、色んな意味でどこか相容れないものがあります。

07年にユーロ・スターの終着駅がWaterlooからセント・パンクラス駅に移動してからは、少しは好転するか?と思ったんだけど(笑)。
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