日本なら「かき氷」とか「スイカ」とか「浴衣を着た女性」とか「蚊取り線香(まだあるのかな?)」とかが夏のイメージなんだろうけど、イギリスは違う。
緯度的にも日本の北海道ぐらいの所に位置する島国なので、
夏もひんやりしていてあっけないほど短い。
6月中旬〜下旬にかけて行われる英テニス・トーナメント/ウィンブルドン(グラストンベリーもこの時期)が集中豪雨に見舞われ、
スケジュールが延期orメチャクチャになるなんてのはしょっちゅうだし、
「冴えないイギリスの夏」を象徴する恒例行事として
今や国民的な内輪ジョークになっているくらい。
だから英国人は「夏」を過ごすことに慣れてないし、暑さに対しぎこちない。
「短い夏を享受」することに対しある種の悲壮感さえ漂うところが、
カンカン照りの夏!が当然な日本で育った筆者にとってはいつも笑えてしまうわけですが。
6月〜8月の間に2週間ほど「今日はなんか暑いな(27〜28度?)」な日が続けばイギリス人にとっては「Good summer」なので、
お日様が顔をだすと同時に皆がこぞって公園に繰り出し、
ナマっ白い肌をさらけ出し必死で「少ない日照時間」をむさぼり合う。
いかにも「夏だぞ!」と言いたげなアロハ柄のショーツ(22度ぐらいの暑さで、笑)を穿き、真っ白で細長いカマキリみたいな両足をぎこちなくさらけ出して歩く英国男に公園で出くわす度に、いつも必死で笑いをかみ殺す。
ランチ・ブレイク時になると、ロンドン中の公園でオフィス・レディたちが
早速水着に着替え、サンタン・ローションを塗りながらトップレスになって俯きに寝てたりもする。
数週間前ちょっと暑かった週末は、リージェント・パークのアヒルが浮かぶ池や噴水で水遊びをする水着嬢(普通人)の姿がタブロイドの表紙になったり。
そこまでしてまで日焼けしたいか!?
と、九州出身の筆者はいつも怯んでしまうわけですが、
そんな「ぎこちないイギリスの夏」を誰よりも象徴するのがたぶんこの人=パルプのジャーヴィス・コッカー。
ご本人もその辺は重々わかっているようで、
このMail on Sundayの付録雑誌の取材テーマは、
そのものずばり「英国人にとっての夏とは?」。
あの現UK一ドライなユーモア&アイロニーはここでも炸裂。
5歳の息子をキャンピング・ホリディに連れて行った時のエピソードなど、
笑い死ぬかと。
あ、この人も「昔は一度アロハ柄のショーツに挑戦してみたことがある」そうです。