James Blakeライヴ
2011.03.28 00:00
★週末直前の3/24(木)は、今年話題のUK新人=ジェイムス・ブレイクの初ライヴを体験してきました。
照明が暗すぎてよく見えないかもですが、
ステージ右端のキーボード後部に座っている人がジェイムス・ブレイク(21歳)。
ライヴ中たまに照明の光度を上げる時もあるんだけど、
ステージから客席へ向かっての逆光スタイルなので、
どっちにしろメンバーの顔や様子は我々客には終始見えない(というか、見せない?)システム。
(このライティング・スタイルの裏に何か特別な本人の「意図」があるのか?は不明)。
ライヴ自体は、キーボード&シンセ&Voのご本人+ドラムス(超ミニマルな生ドラム・セット)+ギター&ベース=計3ピース編成で行われた。
ここUKでもポスト・ダブステップ、エクスペリメンタル、アンビエント、エレクトロ・ソウルetc様々な呼称で語られているが、
一言で言えば、なんとも形容しがたいサウンド感。
パートによってはトリップホップやイーノに通じる感覚もあったりするので、
「ミニマル・アンビエント・テクノ」が最もしっくりくる?
トラックの隙間に入る「間」の取り方とか、Voの独特の発声法とか、
日本の古典芸能「能」に通じる感覚も。
少なくともこの日のライヴからは、
一部で言われる「ソウル・ミュージック」的な要素/官能性やグルーヴは正直ほとんど感じられなかった。
ジェイムス君自身は「僕の音楽で女の子達を踊らせたい」なんてインタヴューで語ってますが。
従来のロック・ライヴにつきものの「熱さ」「昂ぶり」「フィジカリティ」を徹底して排除した、とことん冷たく、暗く、研ぎ澄まされた静寂な音の連鎖。
意図的にカムダウンするための音楽なのか?
「アンチ・ロック」の意図もある?
とにかく聴けば聴くほど、疑問と好奇心をそそられる不思議なライヴ。
★ちなみに当日の会場は、ロンドンのキングス・クロス/セント・パンクラス地区にある英国最古の教会のひとつ=St Pancras Old Church。
古代ローマ時代からこの地にあった教会だそうで(現在の建物自体は19世紀ヴィクトリア時代に建立されたものだそうだけど)、
中には「6世紀から存在する祭壇」まで飾ってある。
もちろん通常のライヴ・ハウスではありません。
照明は暗いし、ステージは見えないし、喉が渇いてもドリンクを買うバーもない(泣)。
興味をそそられた方は、
英リリースされたばかりのデビュー・アルバム『ジェイムス・ブレイク』もぜひ。