クリープハイプ武道館1 日目、思ったことを即書いてみた


武道館公演、1日目が終わった。

素晴らしい、とまとめてしまうにはあまりに生々しい、しかし、ありのままの、と妙に近しく言ってしまうと、彼らの音楽の本質を歪めてしまうような、とても繊細に作られたライヴだった。
きっと、尾崎はこの日鳴らされた一曲一曲、ひとつひとつの言葉がどう届くのか、どういう力を持って観客に刺さっていくのか、考えに考え抜いたのだと思う。
思うに、曲を二度作るような感じで、クリープハイプの音楽を見つめたのではないか。
そう思わせるくらい、シビアな意識と愛情が詰まっていると思わせるライヴだった。

僕は、この武道館を、クリープハイプをある意味パブリックな、目の前にいる「あなた」のものにするための、もっと言うなら「自分たち自身の物語から一度離す」ための、とても意味あるライヴだと受け取った。
それは、依存関係ではない、オーディエンスとの正しく強い関係を作るための、健全な試みだったのだと思う。
少し大げさな言い方をするが、完全に同一化されたわたしとあなたではなく、手と手を繋ぎ合うことができる距離にいるわたしとあなたでいよう、それは正しく強い関係なんだ。そう言われているような気がしていた。
そう考えるようになってからは、すべての曲が、どうしたら手と手を結び合う正しいふたりでいられるのか、と歌っている歌に聴こえて仕方なかった。

だとすればやはり、尾崎世界観は優れたミュージシャンである以前に、鋭い批評家である、ということになる。
確かにそうだ。

たくさんのことを思った。
いや、やはり素晴らしいライヴだった。

明日は来られないが、近いうちにまたじっくりと考えながら観たいと思う。
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