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    BIGMAMA、ツアーファイナルを観て感動したのはこんなことだった

    BIGMAMA、ツアーファイナルを観て感動したのはこんなことだった
    金井の作る曲には明確な思想がある。
    そして、その思想があるからこそ、BIGMAMAのライヴはまっすぐに、あるひとつのメッセージに向かって一人残らずしっかりと連れて、突き進んで行くことができる。

    その思想とは、音楽はポジティヴに働いてこそ意味があるんだ、という絶対の肯定主義のことだ。

    金井はこの数年、MCで必ず「僕たちの音楽でみんなの嫌なものを遠ざけたい」と言い続けてきた。
    その言葉を実際に最高の作品にしてみせたのが、『The Vanishing
    Bride』であり、メッセージを直接届けるための場がこのツアーだったのだと思う。

    ファイナルとなった今日も、シンガロングが本当にたくさん、何度も何度も沸き起こっていた。そして、その大きな合唱がライヴ自体のクライマックスになるような、大きなエモーションを放っていた。
    歌うのは苦手だというシャイな人がいたとしても、彼もきっと心の中ではでかい声で歌っている。というかそういうふうにバンドが導いてくれる。
    今のBIGMAMAのライヴには、そんな優しさがある。
    僕自身、金井の歌はもちろん、2000人の合唱に感動している自分がいることに気付いた。
    そして、この状態はつまり、金井が追い求めてきた肯定主義としての思いが結実している、ということなのだと思う。

    全員が同じ歌を歌う。しかも、歌詞を一言一句間違えず、完璧に歌うことができる。歌いたいと感じる。
    そんな優しい曲を作り続ける。

    それはもちろん簡単なことではないが、BIGMAMAはそれをやり続けて行けるバンドだと思う。
    金井の強い思いがきっと、BIGMAMAをさらに大きく優しいバンドにしていってくれる。
    そんな手応えを感じた最高のツアーファイナルだった。

    みんな、お疲れ。本当にいいもん見せてもらいました。
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