もちろん最後までいくのだが、この立ち上がりのテンションのまま2時間が過ぎていくとはとても思えない、そんなあまりに緊迫した始まりだった。
倒錯したほどに濃密な、抜き差しならないコミュニケーションを聴き手に与え、そしてエンターテインしていく歌い手はやはりCoccoだけだろう。
何かと引き換えに得たーーという形容以外に僕の頭には浮かばないが、
この人の才能は本当に感動的なまでに唯一無二のものだ。
どう願ってもどう足掻いても、この高みというか深みというか怖さというか、この存在と同じ形の何かにたどり着くことは難しいだろう。
そんな存在であるCoccoが絶好調とも言える凄まじいパフォーマンスを見せる時間は、ありがたいとか美しいという感覚を超えて、ただ稀有なものを目撃している、という感じだった。
日曜の夜が今までにない感慨で終わっていくのが、体験として新鮮です。