星野源のさいたまスーパーアリーナ公演を観た。素晴らしかった。今星野源がやろうとしていることは僕たちを絶対に幸せにしてくれる

本当に、素晴らしいものを観させてもらった。

星野源がやりたいこと、人生を通して惹かれ続けてきたこと、これからも愛していく音楽。
そんな星野源的なエッセンスが、とんでもない精度のダンスミュージックに昇華され、しかもそのダンスミュージックは今、もっとも多くの人を肯定し、鼓舞していくポップミュージックとイコールになっている。

星野源の幸せとやりがいが、僕たちすべてのオーディエンスの幸せと喜びになっていく、というこの関係。この循環。
それは、様々な作品の大ヒットとこのツアーをもって、ついに最強の状態になっているんだなと、極上のリズムに身体を揺らしながらずっと感じていた。

この循環を見出し、生み出し、そのど真ん中に立ち、徹底的に星野源のまま、一対一のエンターテイメントを届けていく星野源の姿勢は圧倒的に正しいと思う。
そして、絶対的にかっこいい。

星野源のライブでは、届ける側にも届けられる側にも、届ける誠意と受け取るピュアさにおいて、お互いに一切の妥協がない。
それが本当に素晴らしいと思う。
お約束の演出はたくさんあるけれども、お約束だからやるのではなく、楽しみだからやる、楽しみたいから盛り上げる、という関係性が一切崩れない。
ものすごく一対一である、というのはそういうことでもある。

星野源のダンスミュージック、ポップミュージックは今時代に強く求められている、と言うこともできる。
だが、今日のようなライブを見ると、たくさんのオーディエンスに深く深く愛されることで生まれるハンパじゃない求心力が、時代の正しさを連れてきたんだ、なんていう言い方をしたくなってしまう。
それぐらい、星野源のライブはとんでもなく楽しい、誰も置いていかない強い信念と、しなやかなタフさで満たされているのである。

「音楽は続いていくんだ」という普遍的なメッセージの流れの中に「イエローミュージック」を置いて、みんなですべての音楽の流れを感じて、共有していこうという姿勢もまた、誰から見てもシリアスで誠実で、とても開かれたものだろう。

そんなたくさんの「正しさ」が巨大なエネルギーを生み、ここにいる人すべてを、誰ひとり置いていくことなく(これが本当に大切なのだ)、よりよい方向へ連れていく。
そういう、とんでもなく素晴らしいライブだった。
本当によかった。

明日のツアー最終日も観れる人が心の底から羨ましいです。
小栁大輔の「にこにこちゅーんず」の最新記事