JUSTICEはなぜエラいのか

JUSTICEはなぜエラいのか

JUSTICEの最新MIX CD。
ジャケットのナメた感じ、というか、
サングラスをかけ鼻をたらした猫がバットを持っている図は、
このユニットが「どう世間と対峙しているか」を
完全に言い表していると思う。

巨大なアンプに巨大な電光クロス、というステージ・セット、
その異様をまさに音にしたようなぶ厚いボトムのビート。
JUSTICEのイメージ戦略はハードかつ強迫的なものだが、
多くのエレクトロ・ユニットがそこに付与するファシズム的な匂いは希薄だ。
むしろ、そこには逆にラフでアナーキーな、だからこそよりスリリングな空間が出現する。
エレクトロがなにゆえかホモジェニックでアーティスティックで、
あるいはピースフルな空間を追い求めていくのに対し、
JUSTICEのそれはもっと拡散的で風俗的で怠惰で殺伐なのである。
昨年彼らがリリースしたツアー・ドキュメントに収められた
「ザッツ・ロックンロール」なバックステージから
彼らをロックの文脈で語るような表層的なアングルではなく、
彼らはそもそものメンタリティがすでにロック・ミュージシャン、なのだ。

テレビで放送された昨年のサマーソニックの特集で、
インタビュー中、MCの女性タレントを
「オマエは嘘つきだろう?」とマジに泣かしてしまう姿は、
営業スマイルをふりまきながら
無意味なトークにお付き合いするその他のロック・バンドたちを
色褪せさせていた。
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