Jesus died for somebody's sins
but not mine(「Gloria」)
そんなフレーズからデビュー・アルバムの冒頭を歌い始めた、
パティ・スミス。
もちろん、それまでにジャニス・ジョップリンが、
ジョニ・ミッチェルが、いた。
けれど、「彼女」は違っていた。
それは、パティ・スミスが、
ボーダーの前でのたうちまわる、あるいは受け入れてしまうことではなく、
いきなり立ち上がるや、お行儀よく座らせられていた椅子を手に、
そのボーダーの壁をめったうちにしたから、である。
その意味で、パティ・スミスは、
エルヴィスと同じように、ロックを生んだ、のである。
それが単にジェンダーのことでないことは、
いまさらいうまでもないだろう。
彼女はその後の、マドンナを含む
ほぼすべての女性ロック・ミュージシャンに影響を与えただけではなく、
マイケル・スタイプやモリッシーやボノの人生も変えたのだ。