The Walkmenの新作『Lisbon』の「泣きの量」はいま一番多い
2010.09.30 19:00
The Walkmenのニュー・アルバム『Lisbon』が素晴らしい。ボーカル、ギター×2、ベース、キーボード、ドラムの5人編成で、となればごくごくまっとうなギター・ロックの形式を愚直に音にするバンドなのだけど、じゃあそれはWilcoみたいに恐ろしいカントリーかというとそうではなく、The Nationalみたいに渋渋なロマンティシズムかというとそうでもない。じゃあなにかというと、それは、「泣き」である。スカスカの音構造に、ターンッと打ち鳴らされるスネア、あるいは、一瞬の静寂を破るロカビリー調のギター・リフ、それらが「心の泣き声」のように聴き手の胸を打つのである。アルバム全体も、この構造のみで押し切っていて、小手先のエフェクトなんかに逃げること皆無。なのに、気づけば全曲をじっくりと聴いてしまってるという作品。よいです。
なお、Spinner.Comで公開中のスタジオ・ライブ映像も必見。その新作『Lisbon』から4曲を演奏しています。こちらから。
http://www.spinner.com/interface/the-walkmen