これもまた、
「観ておかなくてはいけない」のだけど
「まだ観ていない」DVDの山に収まったままの一品。
いうまでもなく
今年のオスカーをほぼ総ナメにした
コーエン兄弟の「NO COUNTRY」。
アメリカ映画においては、
暴力とは最大にして避けることのできないテーマだ。
それは、コミック・ヒーローの暴力から、
人肉を好むシリアル・キラー、
あるいはどでかいマグナムを抱えた刑事から
銃を乱射する通り魔、
そしてアサシンまで、形を変えて語られ続けるのだ。
よく指摘されるように、
それは、アメリカという国が、常に
その肥大化した力と未成熟な正義のあいだで
揺れ動く実験共同体だから、であるのだろう。
だから、アメリカで描かれる暴力は、
ヨーロッパのそれとも、
アジアのそれとも異なる残酷さと
底知れない哀しさに彩られている。
全然関係ないけど、
この映画がアカデミーを獲ったとき、
ハビエル・バルデムの演じた殺し屋の髪型がヘンだヘンだと
言われていたのだけど、
そんなことを言ったら、在りし日のチャーリー・ワッツの立場が
ないじゃないかと思ったのは僕だけだろうか。