モリッシーが自ら選ぶ「俺のザ・スミス&ソロのベスト10枚」


モリッシーがファンサイトTrue To Youに、自らの全キャリアを対象にした「自分のベスト10枚」をしれっと発表しています。

このTrue To Youは、モリッシーが唯一公式声明を出すサイトとして知られていて、NMEへの訴訟やツアー日程などもここで発表してきました。

というわけで、そのモリッシーがモリッシー自身の全キャリアを振り返ってみたときに、どの作品が「俺のベスト」だったのか。以下がその10枚。

1 Years of refusal (2009) #3 UK, #11 US
2 Ringleader of the tormentors (2006) #1 UK, #27 US
3 You are the quarry (2004) #2 UK, #11 US
4 Vauxhall and I (1994) #1 UK, #18 US
5 Strangeways, here we come (1987) #2 UK, #55 US
6 Rank (1988) #2 UK, #77 US
7 Louder than bombs (1987) #38 UK, #62 US
8 Bona drag (1990) #9 UK, #59 US
9 Southpaw grammar (1995) #4 UK, #66 US
10 Your arsenal (1992) #4 UK, #21 US


すでにそのほかのいろんなモリッシー・ファン・サイトが阿鼻叫喚の声で埋まっております。

よくアーティストが「最新アルバムが最高傑作です」と言うのを聞きますが、この徹底した「最近作ったアルバムを3枚、トップ3に並べる」という所業に、モリッシーの相変わらずなモリっぷりを再確認した思いです。世界中のファンも、「モリッシーがそういうならそうだよね」と、あらためてこの難儀なアーティストのファンになった自分を納得させているようです。いや、最近の作品が決して悪いアルバムだった、などと言うつもりはもちろんわれわれモリッシー・ファンにあろうはずがありません。どのアルバムもどの曲も、一言一句一メロディに泣き笑いを重ねてきたのがモリッシー・ファンなのですから。

とはいえ、ザ・スミス時代のアルバムが10枚の中に、たったの3枚。しかも、5位の『Strangeways, here we come』はいいとして、6位はバンド解散後にリリースしたライブ・アルバムであり、7位はアメリカでリリースした2枚組のコンピレーション・アルバムなのですから・・・。

世界中の音楽メディアが「オールタイム・ベスト」を組めば、かならずといっていいほどザ・スミスの『ザ・クィーン・イズ・デッド』や『ミート・イズ・マーダー』がランクインしてくる――。そんな「世間」と年が変わろうが何がどうなろうが相容れない。そう語りかけるようなモリッシーのこの「胸の張りっぷり」がまぶしくてよく見えない、最新アルバムにして「俺の最高傑作1位」、『Years of refusal』(このアルバム・タイトルも「拒絶の年月」ってことでしたね)のジャケット写真をまじまじと眺めながら、新年を迎えようとしております。2012年もよろしくお願い申し上げます。