先日ファースト・メジャー・アルバム『Channel Orange』をリリースした（フィジカルは来週）Frank Oceanが、そのフィジカル・バージョンに収録のトラック「Golden Girl」を公開。コラボレーションしているのはオッド・フューチャーでの同志Tyler,The Creator。


それにしても、このアルバム、素晴らしすぎる。必要最小限の音数で、ここ数年でも最高なグルーヴを実現したそのセンスはいうまでもなく、とにかくはっとさせられるのは、この極上のR&Bには、「金」の匂いがしないことだ。

R&Bシンガーの作品に必ず内包される、というか、それこそが表現のテーマであるような、ヒップホップ以降のブラック・ミュージシャンに必須の「物欲」というか「エゴ」というか、そういったものがこのFrank Oceanのアルバムには皆無なのである（彼の場合、「女」も、ということになるか）。

それは、Frank Oceanというアーティストの、そもそもの生の構えがそうさせているのだろうし、それが、彼の音楽を特別にし、圧倒的なピュアネスとしてスピーカーからとめどなくあふれ出ることになっている。アルバム収録曲の中で繰り返される「ホンモノの愛を探している」というフレーズは、このアルバムのいたるところで哀しく囁かれているのだ。2012年、これまでで別格のベスト・アルバム。こちらでぜひ聴いてみてください。

http://frankocean.tumblr.com/post/26885717440/channelorange

トラックリストは以下。
01. Start
02. Thinkin Bout You
03. Fertilizer
04. Sierra Leone
05. Sweet Life
06. Not Just Money
07. Super Rich Kids (feat. Earl Sweatshirt)
08. Pilot Jones
09. Crack Rock
10. Pyramids
11. Lost
12. White (feat. John Mayer)
13. Monks
14. Bad Religion
15. Pink Matter (feat. André 3000)
16. Forrest Gump
17. End