カンバーバッチ主演映画がオスカー有力候補に!トロント映画祭観客賞発表

カンバーバッチ主演映画がオスカー有力候補に!トロント映画祭観客賞発表 - Wireimage/Getty for TIFFWireimage/Getty for TIFF

毎年トロント映画祭で観客賞を獲るとオスカーで作品賞を獲る確立が非常に高い。そのため、オスカーの前哨戦が始まる場所として注目されている映画祭なのだが、今年も観客賞が発表された。

受賞したのは、なんとベネディクト・カンバーバッチ主演の『The Imitation Game』だ!

カンバーバッチが演じるのは、実在の人物アラン・チューリング。イギリスの天才数学者で、第二次世界大戦時に、ナチスのコードを解読。イギリス人の命を大量に救った他、イギリスを勝利に導いたヒーローである。しかし、彼がゲイだったため、イギリスではほとんどその存在が知られておらず、しかも、”治療”を強制したため、自殺してしまうという悲劇の物語なのだ。

この作品が優れているのは、過去を舞台にした物語にも関わらず、ヘビーな展開にせず、カンバーバッチがいつものごとくあまりに完璧な演技を見せている他、キーラ・ナイトレイ、アレン・リーチ(『ダウントン・アービー』)、マシュー・グッド(『ウォッチメン』)などの今をときめきイギリスの役者達のアンサンブル劇も見事で、非常にモダンなテイストに仕上がっている。なので、観ていて共感しやすい、笑いもあるし、友情物語でもあるので、とてもエンターテイニングなのだ。

カンバーバッチの映画祭での人気も爆発的で、とうとう日本とイギリスに追いついた世界的な人気が押し寄せた感じがした。

だから、この作品が、多くの人から支持されたのは至極納得できる。

映画の予告編はこちら。

ちなみに、過去にトロント映画祭で観客賞を受賞し、オスカーの作品賞を受賞したのは、去年の『それでも夜は明ける』他、『アルゴ』、『英国王のスピーチ』、『スラムドッグ$ミリオネア』、などかなりの確率。北米最大の映画祭にして、カンヌ映画祭で上映されたアート系から、秋以降に公開されるメジャー系の大事な作品が一同に公開されるのが特徴。しかも、映画界の審査員が決めるのではなくて、お金を払って映画を観た観客が投票して決めるため、より信頼できる結果が出ると言えるかもしれない。
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