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    エド・シーラン、すごかった

    エド・シーラン、すごかった

    エド・シーラン@新木場スタジオコースト

    マイクが2本立っているステージにアコギを抱えたエド・シーランがポツリ、ひとりで立っているだけ。
    最初から最後までそれだけのステージだったが、それでもあそこまでエンターテインメントなショウに仕上げちゃうところが、とにかくすごい。
    ギター1本による感動的なライヴを披露するアーティストは多いが、だいたいは親密で、非常にパーソナルなパフォーマンスになりがち。
    しかし、さすが全世界でノリに乗りまくっているアーティストなだけある。
    ストイックなステージとは裏腹に、お客さんを楽しませることにとことん徹しているところがなによりもエド・シーランのライヴの魅力と感じた。

    パフォーマンスの醍醐味は、ループペダルを巧みに使い、独特なグルーヴをその場で編み出していくこと。
    アコギで奏でたコードを、ギターをポンと叩いた音を、ハンドクラップを、自分の声や歓声を、あらゆるサウンドをその場で録音しては、それらの音を重ねていき、その上でギターを弾いて歌うわけだが、弾き語りでもバンドでも絶対に出せないそのグルーヴには奇妙な魔力があって、無理のない感じがあまりにも心地よい。
    それに加えて彼のけなげなMCや、めちゃくちゃマイペースな素振りがとにかくチャーミングで、いわゆる”イケメン”ではないというのに、黄色い歓声が途絶えることないのも納得。
    あまりにも歓声が激しくて、自ら「ちょっと落ち着いてよ」と言うところとかも、男として絶対に嫌いになれない。
    言うまでもなく、演奏も歌も非常に上手い。
    しかし、個人的にもっとも感動的だったのは、ときたまかます彼のラップ。
    インタヴューで若いころエミネムにずっぱまりで、とにかく真似しまくっていた、と言っていたけど、彼のMCスキル、本物でした。

    そういえば、このブログで書いているとおり、ライヴの3時間前ぐらいに取材したんだけど、その時間からスタジオコーストの前にはわんさかファンがたまっていた。
    最近の洋楽ではあまり観ることなくなった光景だけに、彼の桁違いの人気の高さを物語っていた。
    実はライヴ直後に自分はROCK IN JAPAN FES.開催のひたちなかに直行したので、ブログを書くタイミングを逃してしまったけど、フジロックとサマソニの間という、不思議なタイミングのエド・シーラン来日公演、いやあ、ホントにいいものを観させてもらいました。

    彼のインタヴューは現在作成中の9月1日発売のロッキング・オン10月号(夏フェス総特集号)に載ります!(内田亮)
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