歴史的傑作『危機』のスーパー・デラックス・エディションが登場。次号で徹底特集!

歴史的傑作『危機』のスーパー・デラックス・エディションが登場。次号で徹底特集!

イエスがロック史に残した歴史的傑作『危機』、日本盤が豪華7枚組スーパー・デラックス・エディションにて3月19日に登場! というわけで、伝説がよみがえる機会がいよいよ迫ってきている。すでにイエスは昨年『こわれもの』のスーパー・デラックス・エディションをリリースしているが、私たちは今、『こわれもの』で超絶的なバンドアンサンブルを提示し『危機』でひとつの大作の完成に向かったという、1971年から1972年に至るまでのバンドの流れをそのまま追体験できているのではないか。若い人にとっては今回が初めてのイエス体験という人も多いだろうから、1970年代のプログレッシブロックの熱を肌身で感じる良い機会になるはずだ。

近年のポップミュージックやロックの傾向のひとつとして、作品にいかに没入感を生むかという追求がなされているように思うが、その点においてもイエスは先駆的であり別格の存在だろう。ご存知の通り、イエスの楽曲は緻密な構成による様式美が確立されており、だからこそ本作でレア音源も含めたさまざまなバージョンを聴いていると、完璧なバランスで成り立っている楽曲のどこが骨格でどこが装飾なのかが次第に分かってくる。

具体的には、やはりメロディを奏でつつリズムをぐいぐい引っ張るクリス・スクワイアのベースこそが骨格のように思う。つまり、核にベースがあるからこそ大仰でシンフォニックな装飾を組んでいけるし、ポップな旋律を奏でることもできるのではないか。そもそも低音とは、単に低い音域を補強するだけでなく、リズムやハーモニーといった空間的な広がりをコントロールする役割を持つ。ドルビー・アトモス・ミックスによってサウンドがより広く立体的に聴こえるようになったことで、ベースを効果的に使いながら空間を支配するというイエスの新たな魅力に気づきもする。

サウンドデザインという観点からも、イエスの本質を探っていくことができる本作。次号では、さらなる徹底解説も掲載予定だ。ぜひ楽しみにしていてほしい。(つやちゃん)


イエスの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』4月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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