【今月の気になるあいつ】ニーキャップ
25年現在、もっとも世界を賛否両論に巻き込むアイルランド発のヒップホップトリオ。17年、ドラッグディーラーのモウグリ・バップとその幼馴染のモ・カラに、音楽教師をしていたDJ プロヴィの3人で活動開始。過去、弾圧されていた母国語を取り入れたラップが話題を呼び、24年公開の半自伝的映画は「アイルランド版トレインスポッティング」という評価を受けた。“セックス・ピストルズ以来、最も物議を醸す存在”として、26年のrockin'on sonicで待望の初来日を果たす。現在発売中のロッキング・オン10月号では、「気になるあいつ」にてニーキャップを掲載しています。本記事の一部をご紹介。
●ニーキャップ結成のきっかけは?
「全員ともアイルランド出身なもんでね。過去800年間イギリスの支配下に置かれてた結果により、アイルランド語はもはや絶滅寸前の状態にあって。その自分達の言語であるアイルランド語を取り戻そうという動きが今、都会を中心に起きててさ。自分達もその流れの中にいるんだ。正直ここまでデカくなるとは思ってもみなかったし、マジでほんと地元のダチだの身内だの、この先アイルランドの将来を担う世代にアイルランド語を継承する術として始めたことで、ここまで大ごとになるなんて思いもよらなかった。ただひたすら感謝しかないよ」
●メンバーそれぞれのバックグラウンドや音楽歴は、どのようにして今のニーキャップのスタイルに結びついたのでしょうか?
「自分達の育った環境は、アイルランドの伝統音楽が日常的に流れてるような場所で。フィドルやギター、ティンホイッスルといった楽器も昔からすごく身近にあってさ。アイルランドでは“バーセッション”って呼ばれてる文化があって、バーに行って、そのままみんなで輪になって音楽を演奏するみたいな。譜面もなければかしこまってるところなんて一切なくて、完全オーガニックな感じ。誰かしらがフラーッと何か弾き始めて、まわりにいる人間も自然にその輪の中に入っていく。最終的な着地点なんか誰ひとりとして気にかけちゃいない。子どもの頃からそういう環境に育ってるんで、それが自分達の音楽スタイルのデフォルトになってる。そこからもうちょっと年齢が上になってから、ウルフ・トーンズやアイリッシュ・ブリゲイドみたいなアイルランドのレベルミュージックをよく聴くようになり、10代になるとエミネムとかアメリカのラッパーがブームになり……思春期って、聴いちゃいけないとされてる音楽ほど強烈に惹かれるわけじゃん?(笑)。
だから影響としては、今言った組み合わせだよね。アイルランドの歴史と豊かな文化の土壌から輩出されてきた偉大なミュージシャン達。さらに、メッセージを伝えるための強力な手段としてのヒップホップ。しかもそれらを、アイルランド語でやるっていう。自分達以前にアイルランド語でラップしてるグループは存在してなかったからね。まさにうちが新しい地平を切り開いたわけでさ。それがどれだけの人間に受け入れてもらえるのか完全に未知数っていう状態からスタートしてる。それが有難いことに、今のところみんなにも楽しんでもらってるようで」
(以下、本誌記事へ続く)
ニーキャップの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』10月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
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