プリンスの遺したものと遺せなかったもの

プリンスの遺したものと遺せなかったもの
とても残念だ。彼がポップミュージック史に残した多くの革新は、間違いなく長く記憶され語り継がれていくだろう。
ただ、最新作を聞いたファンの誰もが感じた、彼にこれから訪れるだろう、新たな創作の黄金期への予感、それが実現しない喪失感はとても大きい。
何より本人が無念だったと思う。57歳は若過ぎる。
プリンスの音楽は聞くものとの濃厚なコミュニケーションを、常に求め続けるものであった。
何万人の会場であっても、彼は自分と聞き手一人一人とのパーソナルなコミュニケーション回路を大切にしていた。
エロチックなモチーフが看板のアーティストであったが、あくまでも彼のエロチシズムは、僕と貴方との切実なコミュニケーションを実現するためのものだった。というか、人との繋がりの最も濃厚な形こそが、エロチックな関係性なのだ、という確信があったのだと思う。
突然の訃報に、何で、という思いが頭を離れない。本当に残念でならない。
ご冥福をお祈りします。
渋谷陽一の「社長はつらいよ」の最新記事

最新ブログ

フォローする