遠藤ミチロウ、亡くなる

遠藤ミチロウ、亡くなる
しばらく前、病気の状況を聞いた僕のメールに「歌いたいので頑張って治すよ」という返事をもらったのが、彼との最後のやり取りになってしまった。
ガンも治る病気になって来ているので、戻って来てくれるのではと思っていたので残念でならない。
とても批評的な言葉を持ったアーティストだった。インタビューをする度に、その知的な言葉の力に感心した。
しかし彼の素晴らしさは、その批評的な言葉を超える肉体的な表現を実践するデーモンがあったことだ。知的なアーティストであったが、知性が表現を規定したり抑圧することがなかった。
誰もが彼の人柄の良さに魅了された。
取材の時、たまたま彼は旅行帰りだったらしく、旅行先でお土産を買って来てくれた。「親戚のオバチャンじゃないんだから」と笑ったことがあった。スタッフに気を使ったというより、本当にみんなに喜んでもらいたかったという気持ちが伝わって来て、素敵だと思った。
同世代の共に闘って来た戦友たちが亡くなるのは本当に悲しい。残った僕たちが頑張らなければという思いと、そのうち俺達も行くから待っててくれよという思いと、いろいろな気持ちがない交ぜになっていく。
ご冥福をお祈りします。
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