粉川も書いているように、とにかく歌の力が凄い。しかしエイミー・ワインハウスやダフィーのような白人ソウル・シンガーの持つ独特の黒人音楽に対する異化機能というのは面白い。そして、そうしたアーティストはイギリスから生まれるのも興味深い。誤解を恐れず言えば、これくらい歌える黒人シンガーはアメリカにはいくらでもいる。しかしダフィーやエイミー・ワインハウスの魅力はそこではないのだ。黒人音楽を黒人のようにやれない事によって、より魅力的に聞かせるのだ。それが僕の言う異化機能である。ロックなどまさにそうした音楽だ。うまい黒人シンガーがたくさん居るアメリカでなくイギリスでその異化効果は高まる。ダフィーはその最も現代的な成功例だ。まだ若さが蒼さにつながってしまうを感じもあるけど、これからどんどん良くなっていくと思う。楽しいステージだった。