僕はアップル・ユーザーでないし、彼に特別な思い入れを持っている人間でもない。
だから彼の死について書く資格はないのかもしれない。
ただ、このニュースに自分が予想以上のショックを受けている事に驚く。
CEOを辞任した時にも、このブログに書いたが、創業社長の多くはいろいろな感慨を持って、その辞任のニュースを受けとめた。
今回の亡くなったというニュースは、もっとより多くの人にいろいろなショックを与えただろう。
きっと企業家で、こうしたロック・スターのようなカリスマ性を持った人は彼だけだろう。
ビル・ゲイツの持つカリスマ性は少し違うものだと思う。
スティーヴ・ジョブスには、いつも危うさと挫折の陰があった。
勝利と栄光に包まれている時でも、それが終わってしまいそうな危うさを感じさせた。
それがあるから、たくさんの人が彼に感情移入したのだと思う。
きっと僕もそうなのだと思う。
病気で痩せてしまった彼は、とても痛々しかった。見る度に、とても悲しい気持ちになった。でも同時にエモーショナルでもあった。そうした表現は適切ではないかもしれないけれど、栄光のなかにあっても挫折の陰を感じさせる、スティーヴ・ジョブスの物語を生きている、そのクライマックスにいる感じがした。
大げさでは表現ではなく、人類が彼の仕事から受けた恩恵は計り知れない。
冥福を祈りたい。写真は今日の夕焼け。