佐久間正英さんが亡くなった時、何度も文章を書こうとしたのだが、結局書くことが出来なかった。
その時、書こうとしていたのは佐久間さんが早川義夫さんをプロデュースした仕事についてだった。
朝日新聞にその早川義夫さんが佐久間さんの追悼文を書かれていた。とても愛のある素晴らしい文章だった。
佐久間さん、というか佐久間くんは昔からの長い付き合いのある、良く知る関係だった。だからこそというわけではないが、仕事での接点はほとんどなかった。彼が亡くなったことを知って、何か自分のなかでその死をどう収めればいいのか、途方に暮れる時間が続いた。だから文章も書けなかった。
早川さんの追悼文によって、ようやく佐久間くんの死が自分のなかで収まった気がした。このことも、書こうかどうかずっと迷っていたのだが、書くことにした。
彼にとって早川義夫をプロデュース出来たということは、とても幸せなことだったと思う。ご冥福をお祈りします。
1月27日、朝日新聞夕刊。