アジカンのニューアルバム『ホームタウン』がこれまでと全然違う3つのポイントについて

最近のアルバムの中では最もアジカンらしいタイプの曲が揃っているが、これまでのアジカンとは違う、新しいアジカンが鳴っている。
まず、外部の作曲者が書いた曲が何曲か収録されている。
そして、サウンドが変わり、低音がしっかりと出て全体のバランスがゆったりとして、脱J-POPしている。
そして、10曲入りのアルバムと5曲入りのEPという形でのリリースで、内容に合わせた自由な発想を形にしている。

つまり、このアルバムは、自由で新しいのだ。
曲はむしろオーソドックスすぎるぐらいにアジカン的なパワーポップ集なのに、それを放つアジカンの姿勢とやり方が自由で軽やかで新しいのだ。

聴いていると、リヴァース・クオモウィーザーやグラント(フィーダー)やチャーム・パークが書いた曲もアジカンの曲として聴こえてくるし(ホリエアツシの曲だけはどう聴いてもホリエだわ)、音が抜本的に良くなってるから曲が王道でもフレッシュに聴こえるし、アルバムの10曲とEPの5曲の区別もなんかよくわかんないけどいい感じに聴こえるし、まあ要するにいつものアジカンなのに、いろんな工夫が効いてるせいでなぜか新鮮なのです。
そういうことがとても2018年だと僕は思う。
今、ロックにも工夫がないとね。

アジカンから、未来へのいろんなアイデアとビジョンが提示された素敵なロック・アルバムだ。




メンバー全員のインタビューとフォトセッションやりました。
次号ロッキング・オン・ジャパンに掲載します。
11月30日発売、お楽しみに。(山崎洋一郎)
山崎洋一郎の「総編集長日記」の最新記事