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ジグザグは素直に音楽に向き合っているところがかっこいい。何かを真剣に語りたい時もあれば、ふざけまくりたい時もある自然な人間の姿をそのまま音にしているのを感じる。アドレナリン分泌を徹底的に促進する爆音、シャウト、スクリームが怒涛の勢いで押し寄せてくる“Schmerz”。心地よいスキャット風の音を連発しながらラブ&ピースを歌っているのかと思いきや、いつの間にかお寿司讃歌と化す“JAPPARAPAN 〜Japanese Party〜”。理不尽な出来事が起きる世界に対する戸惑いを精緻に描いた“天(ama)”。思想ゼロのネギソング“バリネギ -sexy green onion-”。どこか懐かしさを感じるサウンドで仕上げられたウィンターソング“E.v.e”。今作に収録されている5曲は多彩だが、表現したいことに対して忠実という点では一貫しているのだと思う。圧倒的な歌唱力と演奏スキルだからこそ生み出せる感動の宝庫なのも堪らない。リスナーである我々も音楽を聴く喜びに対して徹底的に素直でいられるバンドがジグザグだ。(田中大)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年12月号より)
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