テイラー・スウィフトはじめ、数々のポップシンガーの音を手がける引く手あまたのプロデューサーとして知られるジャック・アントノフだが、彼自身のプロジェクトであるブリーチャーズはパーソナルな領域をどこまでも探求するものだ。
生まれ育ったニュージャージーの風景や、幼くして妹を亡くした経験と消えない痛み――過去を見つめるものであり続けてきたのだ。80~90年代を思わせるどこかキラキラとしたノスタルジックなロックサウンドも、ビタースウィートな感覚を呼び起こすものだった。
そんなブリーチャーズの4作目にしてその名も『ブリーチャーズ』は、変わらず過去を見つめながらも、それ以上に現在の自分自身の人生を祝福する作品に仕上がっている。
多くのミュージシャンとコラボレーションを重ねることで自身の表現にも確信が持てるようになったという意味もあるだろうが、シンプルにひとりの人間の人生の変遷としても感動的なものがある。
そんな新作について、『ロッキング・オン』4月号ではジャック・アントノフにインタビューをおこなった。
ラナ・デル・レイやクレイロといったなじみ深いミュージシャンが参加した『ブリーチャーズ』で、いまこの瞬間の自分自身を表現する彼のありのままが語られている。
ブリーチャーズは今年のサマーソニック出演も決定しているが、ジャックの話を聞いて、彼らが現在放つ活き活きとしたエネルギーを目撃するのがいっそう楽しみになったのだった。(木津毅)
ブリ―チャーズのインタビューが掲載されるロッキング・オン4月号