ピザ・オブ・デスがレーベルとしてだけではなく、マネージメントとしても契約を決めた初めてのバンド、WANIMAの1stミニアルバム。現在のメンバーが揃ったのが2012年12月だから、そんなに歴史は長くない。それでもピザががっぷり組みたいと思った理由は、聴けばわかるはずだ。ずば抜けてキャッチーだから！それはメロディだけではない。3ピースらしいシンプルバンドサウンドの中に、様々なジャンルをさらりと混ぜ込んでフックにしてしまうアレンジや、メロディックパンクにしっかり馴染ませた日本語詞も含めて、多くの人に愛されていきそうな音楽性を生み出しているのだ。また、そのキャラクターも、故郷や命への思いが滲む歌詞から、やんちゃだけではない泥臭さが感じられる。特に、手紙のように個人的な歌詞が、「みんなの歌」ではなく、「一人一人の歌」だと感じさせられる“1106”を聴くと、彼らはキッズだけではなく、より広い範囲の人たちの心を掴む存在になっていく気がしてならない。まずは、7曲17分というコンパクトな中にぎゅっと凝縮された、彼らの魅力に触れてみて欲しい。（高橋美穂）