初めてのベストアルバム。インディーズ時代から網羅した全15曲が収録されており、久々にバンドとして動き出した彼らの凄みを再確認できる。つくづく、核が変わっていないのだ。テクニカルに狂気を振り回し、ひんやりとポップを射抜く。表現や音色が変化しても、一貫しているから信頼できる。それでいて、常に刺激的に聴こえるところも驚異だ。ここまできたら、彼ら自身が飽きない限り、永遠にバンドが続いていく気がする。

全楽曲をロンドン・メトロポリススタジオJohn Davisがリマスタリング。そして、初回生産限定豪華盤のスペシャルパッケージ+フォトブック付きHyper Tornado Editionと、初回生産限定盤のTornade Editionは、2CDとDVDがセットになっている。DVDにはミュージックビデオ、CDにはインディーズ時代のデモテープやライヴ音源などを収録。ここぞとばかりにレアなアイテムに仕上げている。そもそも、とことん愛されるか、すぐに引かれるか、聴く人を二手に分けるバンドだと思うので、入門編的なベストアルバムでも、ディープな方向性になるあたりが彼ららしい。(高橋美穂)