『地図』を辿った先にあったのは『家』

LUNKHEAD『家』
2015年04月01日発売
ALBUM
LUNKHEAD 家
移籍第一弾、10thアルバムという節目揃いのタイトルは『家』。ロックバンドだよ!? しかもLUNKHEADだよ!? と、第一印象で意表を衝かれた。

“MAGIC SPELL”の《上を見てもキリがない/下を見てる暇はない/前を見れば果てしない》という名フレーズからはじまり、焦燥感さえ漂う決意が響く“僕たちには時間がない”、 笑顔のシンガロングが目に浮かぶ“シンフォニア”と続き、聞こえてきたのは“うちにかえろう”。《なんでもない今日の日も/君が笑ってくれたこと/そして僕も笑ったこと/あたりまえなんかじゃないこと》という歌詞と、シンクロするドラマティックなギターソロが際立つ温かなバラードに、涙が零れそうになった。

そして『家』の理由に気付いた。今作は、誰もが頷ける名フレーズのオンパレードだ。まるで、家みたいに、疲れた時、悩んだ時、共に過ごしたい一枚じゃないか。彼らも結成から15年を過ぎて、年相応の心情を照れずに歌い、鳴らせるようになったことで、スケール感のあるポップアルバムを生み出せたのだと思う。幾つになっても迷い続ける僕らが帰る場所が、ここにある。(高橋美穂)
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