生き急ぐ快感

ゲスの極み乙女。『オトナチック/無垢な季節』
2015年10月14日発売
SINGLE
ゲスの極み乙女。 オトナチック/無垢な季節 - 『オトナチック/無垢な季節』10月14日発売『オトナチック/無垢な季節』10月14日発売
「死にもの狂いで生き急いでんだ」と歌いつつも余裕たっぷりでクールネスすら漂っていた前作“ロマンスがありあまる”と比較すると、本作から発せられる必死さはまさに死にもの狂いって感じだ。生き急ぎっぷりがガチなのだ。ファンクとジャズ、どちらも得てして手練の玄人芸になりがちなそれらを、恐怖を振り切るように、希望に追いすがるように、まさにデッドヒート、とんでもないレベルの緊張感と共に打ち鳴らす “オトナチック”は、ダンスロックとしての体裁が途中でどうでもよくなってしまっている。ニヒリスティックな響きのポエトリーリーディングから咆哮へと転じていく“灰になるまで”は、文字通り燃え尽きて灰になるのも厭わない決意の産物で、最後はもうハチャメチャで傷だらけだが、彼らは気持ち良さそうだ。“私以外私じゃないの”のイメージからか、私はこのバンドにはフリークネスを飼いならすクレヴァーさがあると思っていた。でなければ、あんなポップソングは書けないからだ。でも、彼らには衝動や狂気に身を委ねきる大胆さもある、そんなことを気づかせてくれるのがこのシングルだ。(粉川しの)
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