名古屋発のTHREE LIGHTS DOWN KINGSが、2ndアルバム『ENERGIZER』から約10ヶ月で3rdアルバムを完成させた。アルバムへの大きなきっかけとなったのは、12月のシングル“グロリアスデイズ”。これまでの作品にあったヴォーカルのエフェクトを外し、生の声を活かし、そしてバンドアンサンブルの爆発力で形にしたことで、サンエルサウンドのタガが外れたのだろう。今作はリミッターなしで、やりたいことを詰め込んでいる。アグレッシヴなロックに振り切るだけでなく、これまでのダンサブルでエレクトロな路線も、シンガロングを巻き起こすポップさやキャッチーさも、エモーショナルな歌ものからトレンド感を凝縮したEDMまで、全10曲それぞれを振り切った形にした。アルバムのトータルバランスを考えていないわけではないだろうが、1曲1曲を丹念に磨き上げて色とりどりのエッジを立たせることで、結果的に彼らの現在形をまとめたアルバムになっている。《ルーティーンを抜け出して／日常を／超えろ》（“Over The Rainbow”）という、チャレンジにあふれた彼らのモード感を示した内容だ。（吉羽さおり）