昨年自らのレーベルを設立、通算8枚目のフルアルバムを発表。多作な人たちだが、サウンドも歌詞も活動も、すべてが過剰なエネルギーに満ちている。抑制し整理し辻褄をあわせて秩序立てるよりも、すべてを未整理・無秩序なままぶちまけずにはいられないオブセッションじみた情熱にこそ彼らの本質が潜んでいると思える。溢れ出る気合いに追い立てられるような性急なリズムと、思いが次々と湧いてきて制御不能になって散乱する言葉数の多さが彼らの音楽だ。

『マジか。と つーか、E.P.』に引き続き、本作でもEDMとバンドサウンドの融合というコンセプト。だが最新モードとしてのEDMを取り入れたというより、「すべてがピークタイム」という無闇な高揚感がバンドの根本姿勢とマッチするということだろう。一昔前のニューレイヴやデジタルロックに通じる下世話な祝祭感も、現実との軋轢とストレスとフラストレーションと内省と社会的なが視座がごちゃくちゃに絡み合い衝突炎上しているような歌詞もテンション高い。本編12曲に加えリミックス6曲を入れた18曲収録という「過剰仕様」。（小野島大）