『ROCKIN'ON JAPAN』がお届けする最新邦楽プレイリストはこちら
今を駆け抜ける覆面アーティスト同士のコラボは、アニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱』の第2クールオープニングテーマ。作詞作曲編曲はWurtSが手掛けており、WurtSのシグネチャーサウンドと言える疾走感と爆発力を持つバンドサウンドの上で、yamaとWurtSの歌声が呼応する。yamaもWurtSも時代に新しい価値観をもたらした「革新」の人だが、今のふたりには「新しさ」だけではなく、オルタナティブな生き方を背負いながら音楽シーンの、そして社会の最前線に立つ「頼もしさ」がある。その頼もしさがこの曲には根を張っている。背負うものの大きさが響いている。『るろうに剣心』の京都編と言えば、緋村剣心と志々雄真実の戦いである。小学生の頃に必死で十本刀の名前を覚えた私にとっては、志々雄真実は永遠不変に最高峰の「悪役」である。《思い出して何回も/生まれ持ったものだけじゃねェ》――この曲の、このフレーズを剣心や志々雄たちが聴いたら、どんなことを感じるのだろうか。少し気になった。(天野史彬)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年3月号より)
『ROCKIN'ON JAPAN』3月号のご購入はこちら
*書店にてお取り寄せいただくことも可能です。
ネット書店に在庫がない場合は、お近くの書店までお問い合わせください。