ファウンテインズ・オブ・ウェインのクリス・コリングウッドによるソロ・プロジェクト=ルック・パーク、初フジ参戦を目前に1stアルバムが到着! コステロ、スザンヌ・ヴェガなどを手掛けるミッチェル・フルームのプロデュースのもと、ファウンテインズ・オブ・ウェインの極彩色パワー・ポップとはガラリと趣の異なるオーガニックな開放感に満ちた音像を繰り広げている今作。ミッチェルのピアノがきらめく爽快なリード・シングル“エアロプレイン”をはじめ、陽だまりの中でロックとポップが手を取り合って踊り回るような“シャウト・パート1”、アコギとメロトロン風の鍵盤サウンドを軸とした音像越しにメランコリックなAOR感を漂わせる“スターズ・オブ・ニュー・ヨーク”……といった場面のひとつひとつが、肩肘張らずに日常のど真ん中を闊歩していくような「自然体のブルース」を描き出しているのがいい。何より、今作のような穏やかなソロの世界と、快楽のレッド・ゾーンへ突き抜けるファウンテインズ・オブ・ウェインの躍動感を両手に持っていることで、他でもないクリス自身がソングライターとしてこれまで以上に解放されていくだろう――と実感させてくれる豊潤な1枚。(高橋智樹)