ラップトップ・ビートに乗せてストリートなポエトリーを濁流させるスタイルはいわばポスト・パンク×UKヒップホップで、そのローファイぶりを「非音楽」とこきおろす、あるいは「口汚い罵声だ」と眉をひそめる者もいる。しかし暗部や汚物から目を逸らすことなく彼らが描き出すモダン・ライフとそこに向けた怒りや苛立ちはリアルだし、殺菌処理・加工されない当事者としての声に宿る説得力は絶大だ。プロパーなアルバムとしては4枚目になる本作には、イギリスの欧州連合脱退問題~強まる保守傾向が暗い影を落としている。ゆえに過去の作品で浮力の役目を果たしていた不条理なユーモアという「救い」の要素は薄いが、トランプ時代に救いもへったくれもない。心して聴いてほしい。(坂本麻里子)
時代の炭鉱でがなるカナリア
スリーフォード・モッズ『イングリッシュ・タパス』
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ALBUM
ラップトップ・ビートに乗せてストリートなポエトリーを濁流させるスタイルはいわばポスト・パンク×UKヒップホップで、そのローファイぶりを「非音楽」とこきおろす、あるいは「口汚い罵声だ」と眉をひそめる者もいる。しかし暗部や汚物から目を逸らすことなく彼らが描き出すモダン・ライフとそこに向けた怒りや苛立ちはリアルだし、殺菌処理・加工されない当事者としての声に宿る説得力は絶大だ。プロパーなアルバムとしては4枚目になる本作には、イギリスの欧州連合脱退問題~強まる保守傾向が暗い影を落としている。ゆえに過去の作品で浮力の役目を果たしていた不条理なユーモアという「救い」の要素は薄いが、トランプ時代に救いもへったくれもない。心して聴いてほしい。(坂本麻里子)